家を建てる際、多くの方が30年以上という長期間にわたって住宅ローンを組むことになります。その間には、世の中の状況も家計を取り巻く環境もさまざまに変化していきます。
だからこそ、これからの流れをしっかり見据えたうえで、無理のない返済額を決め、返済期間を設定し、自分に合った住宅ローン商品を選び、冷静に予算を組み立てながら、その範囲内で実現できる家づくりを行うことがとても重要になってきます。
✔ 物価は確実に上がり続けている
まず、ぜひ認識しておいていただきたいのが、物価は年々上昇しているという事実です。例えば消費税は、1989年に初めて導入されて以降、段階的に引き上げられてきました。そして、導入からちょうど30年後の2019年には、税率が10%にまで上がりました。
つまり、同じ商品を購入しても、以前より1.1倍の支払いが必要になった、ということになります。
また近年では、大学進学が当たり前の時代になっていますが、大学の授業料も大きく上昇しています。現在、国立大学の授業料は、初年度がおよそ82万円、2年目以降は平均で約53万円と言われています。約30年前の平均が25万円前後だったことを考えると、2倍以上になっている計算です。
このほかにも、たばこ、車、衣類、お菓子、本など、あらゆるものが以前に比べて値上がりしています。たとえ景気が悪かったとしても、物価は今後も上がり続けると考えておいた方が現実的ではないでしょうか。
✔ 手取り収入は減少していく可能性が高い
次に理解しておきたいのが、手取り金額が今後減っていく可能性が高いという点です。その理由は、給与から差し引かれる社会保険料や税金が、これからますます増えていくからです。
背景には、深刻な少子高齢化の問題があります。いわゆる「団塊の世代」と呼ばれる方々が、全員75歳以上の後期高齢者になると言われています。そうなると、日本人の5人に1人が75歳以上になります。
ある大学教授のシミュレーションによると、社会保険料や税の負担は今後さらに重くなり、2035年には給与から天引きされる割合が60%に達する可能性があるとも言われています。つまり、手元に残るお金が40%しかなくなるかもしれない、ということです。
実際、会社と折半して支払っている厚生年金保険料はすでに年々上昇していますし、今後は介護保険料の負担も確実に増えていくでしょう。決して楽観視できる状況ではありません。
✔ 老後資金は「自分で備える」時代
さらに、将来受け取れる年金額は確実に減少していくと考えられています。その不足分を補うためには、若いうちからコツコツと資金を準備していく必要があります。
例えば、iDeCo(個人型確定拠出年金)は、国民年金や厚生年金に上乗せして積み立てができる制度です。iDeCoで積み立てた金額は全額が所得控除の対象となり、さらに運用によって得た利益に対しても、通常約20%かかる税金がすべて非課税になります。
また、つみたてNISA(新)も、運用開始から無期限で、運用益にかかる約20%の税金が全額免除される制度です。これら2つは、老後に向けた資産形成として、積極的に活用すべき仕組みだと言えるでしょう。
銀行に預けているだけでは、昔のようにお金が増える時代ではありません。だからこそ、ただ貯めるだけでなく、節税や運用にも目を向けることが大切なのです。
✔ 可処分所得は確実に減っていく
ここまでの話を整理すると、給料の伸びはわずかな一方で、税金や社会保険料の負担は増え続け、結果として手取り収入は減少していきます。さらに物価は上昇し、それでも将来に備えて、若いうちから貯蓄や資産形成を進めていかなければなりません。
つまり、自由に使えるお金、いわゆる「可処分所得」は、今後ますます減っていく可能性が高い、というのが、これからの日本の現実です。
次回は、今回お伝えした内容を踏まえながら、さらに一歩踏み込んで詳しくお話ししていきたいと思います。ぜひ次回もご覧ください。
それでは、、、
追良瀬

