行き止まりがなく家の中をスムーズに行動出来る動線を「回遊動線」と呼びますが、室内の移動をスムーズにすることで家事の効率化が図れるため時間短縮とストレス圧縮という2つのメリットが享受出来ます。
しかし一方で回誘動線には「収納スペースが減る」「コストが高くなる」「構造が弱くなる」という欠点も存在しています。
収納スペースが減る理由は、部屋の入り口が2箇所になるためその分壁面が減ってしまうこと、かつ、ドアとドアを結ぶ直線は通路として確保しないといけないためさらに使える壁面が減ってしまうからです。
コストが高くなる理由は、入り口が2箇所になればその分ドアの数が増えるから、かつスイッチの場所も増えるため配線工事の手間も増えるからですが、これに加えて収納を通り抜けにしたことで収納スペースが減ってしまう分余分に収納を設けないといけなくなることもコストアップの原因になります。
構造が弱くなる理由は言わずもがな、ですね。ドアが増えるということは窓が増えるのと同じようにその分壁が減ってしまうからですね。そんなわけで回遊動線を取り入れるか否かはこの両面を知っていただいた上で決めていただければと考えています。
これまでの内容を分かりやすくまとめると
1.回遊動線を取り入れると時間とストレスの圧縮にはなるがその分、収納力が減るし構造も弱くなるしコストも高くなる。
2.回遊動線を取り入れないと時間とストレスの圧縮は出来ないが、その分、収納力が増えるし構造も強くなりコストも下がる。
ということになるのですが、あなたならどちらを選択されるでしょうか。
✔️収納における勘違い
「収納は出来るだけたくさんつくりたい」
よほど片付けや物の整理が得意な人じゃない限り家を建てる誰もがこうお考えになると思いますが、先程申し上げた通り収納は壁面を減らしてしまうとその力を半減させてしまいます。結果、これを補填するように別で収納を設けない限り、「収納が全然足りない・・・」という悲劇を招いてしまいます。
ゆえに、設計に入る前に知っておいていただきたいことは収納は「床の広さ」ではなく「壁の広さ」で考えなければいけないということです。
仮に3帖のファミリークロークをつくったとしても、通り抜けられるようにしなければここには5m20cmも使える壁が存在するのに対し、通り抜けられるようにした場合はその半分の2m60cmしか使える壁が存在しなくなりますからね。
ゆえに、収納に関しては「床の広さ」にフォーカスしないように気を付けてください。
✔️奥行きのことも考慮する
そして収納におけるもう1つの注意点が「奥行きが深い収納」もまた通り抜け同様に意味のないスペースを生み出してしまうということです。
無駄に奥行きが深いと物を収納した手前に必ず余白が出来るのですが、そのスペースを有効活用しようと何か置いてしまうと確実に奥の物が取り出しにくくなるため、物の管理をしやすくするためには手前には何も置かない方が良いよねとなるからです。
かつ、現在はそんなに奥行きの深い物がなくなってきていますしね。以前は場所をとっていた掃除機も現在はスティックタイプやルンバなど場所をとらないものになってきているし、布団にしても以前に比べて断熱性能が格段に向上した現在、昔みたいにあからさまに夏と冬の布団を分ける必要もなくなったし、布団そのものも圧縮して収納すれば以前のように場所をとりませんしね。
収納に関しては、この2点に注意しながら計画を立てるようにしていただけたらと思います。この2点がコストを圧縮しながらも収納力をアップさせるためのポイントです。
それでは、、、
追良瀬

