どんな商品にも基本的に万能なんてものは存在せず、比率の差はあれど必ずメリットとデメリットの両面を備え持っています。
例えば「土地」。
南向きの土地は日当たりが良く資産価値も高い上その価値が落ちにくいことから、最高の土地であるという認識が世間一般にはありますが、冷静に考えるといくつかデメリットが存在します。
まず、他の土地(東・西・北向き)に比べて価格が割高であるということ。かつ、他の土地に比べて売れやすいことから価格交渉もしにくい。そして、厄介なことに割高なのは土地代だけに止まらず、建築代や外構代も割高になります。
建築代が割高になるのは、直射日光と周囲からの視線を遮るために絶対にカーテンが必要となるから。かつ、厳しい日差しを避けるためと台風時の飛散物からガラスを守るためにシャッターが必要となるから、です。
外構代が割高になる理由は、家同様に低いプライバシーや防犯面の担保のために塀や目隠し、植栽や門といった工事が余分にかかるからですね。要は、予算がグン上がりやすいというデメリットがあるというわけですね。その上、カーテンが開けられないため開放的な住まいにもなりにくいですしね。
他方、デメリットばかりに焦点が当たりがちなのが西向きや北向きの土地ですが、これらには実は見逃し難いメリットが存在します。まず、いずれの土地に共通して存在するメリットは価格が割安であるということです。
西向きの土地に関しては、日当たりに難がありそうな上、西日の影響をもろに受けそうだし、北向きの土地に関しては、日当たりに難がありそうな上、西と東まで囲まれると全く直射日光が当たらなさそうに感じてしまいますからね。
ゆえ、買ってもらいやすいようにそもそも割安に価格が設定されていることが多いのですが、これらの土地はこの価格からさらに価格を下げてもらいやすいというメリットも存在します。
同じ分譲地で南向きの土地が20万円で販売されているとしたら、西や北向きだと18万円前後で販売されていることが多いのですが、さらにそこから交渉の余地があるため、場合によったら南向きの土地よりも150〜200万円ほど安く土地を購入出来るかもしれないというわけですね。
✔️デメリットを逆手に取る
先程、西向きの土地は西日の影響をもろに受けそうだから敬遠されるとお伝えしましたが、その問題は設計で解決出来るため実は全く気にすることはありません。西日の影響を受けそうなのであれば、最初から西に窓を作らないように間取りを計画すればいいだけですからね。
そして、西以外の方向から採光を取り込むように間取りを計画すればいいだけです。
北向きの土地も然りです。北以外の三方が家に囲まれているとしても周囲の建物から充分な距離をとった場所に窓をつくるようにすれば、採光に全く支障は出ないどころか、むしろ南向きの土地に建つ家よりも明るく開放的な空間をつくることが出来ますからね。
そんなわけで、
どんな土地にもメリットもあればデメリットも存在するということ、そしてその土地が持つデメリットは設計によって解決出来ることが多いということを同時に覚えておいていただければと思います。
それでは、、、
追良瀬

